言ノ葉

【蔵元】2011年 年頭所感

  • 言ノ葉
  • 2011.01.01

読者の皆様、明けましておめでとうございます。
平素は嘉泉のご愛顧ならびにメールマガジンのご購読をいただき誠にありがとうございます。田村酒造場 田村半十郎でございます。
まず、“お燗のための酒”「純米酒 白麹(しろこうじ)使用」の話題からお話したいと思います。
この酒は、日本人が昔から味わっていた“お燗酒”の再興をめざして、当蔵が熟考を重ねて辿りついた3年ものの熟成酒です。
おかげさまで好評をいただき、“お燗酒”の再興に貢献できているようです。
また、一方で、この商品は一般の方が“熟成酒”と”お燗酒”という2つの日本酒の魅力と、初めて出会うきっかけにもなっているようです。
私どもには、どちらもなじみ深いものですが、熟成酒に親しむ方は、一般的には、まだまだ少ないと言えるでしょうし、料飲店でも、冷酒を召し上がる方が目立ちます。
特に、若い世代の方には“お燗酒”に思い出がないことから、新鮮な感覚で味わっていただけるようです。
この「純米酒 白麹使用」には2つの得意技があります。
1点目は、お酒メインで、ゆっくりと“嗜める”こと。
熟成した複雑な酒の香りを堪能しながら、まるでバーカウンターで傾けるウイスキーのように、しみじみ、じっくり飲めます。
2点目は、個性の強い食材との相性が抜群なこと。
最近は、TV、雑誌、ネットで“お取り寄せ”が盛んに特集されるなど、自宅で味わう特撰食品が人気です。
日本三大珍味の唐墨、酒盗、このわたはもちろん、味噌たっぷりの蟹、産地直送の殻付き牡蠣、白子入りのふぐ鍋、殻ウニ、伊豆諸島のくさやなど、料亭や海辺に行かなくても、お手頃価格で味わえます。
こういった左党垂涎の食材と「純米酒 白麹」は抜群の相性です。
食材の強い個性に負けることなく、相乗的に旨みを膨らませることができます。
薫製や癖のあるチーズ類、鮒寿司や豆腐ようなどの発酵食品とも良く合います。
冬の季節。個性豊かな美味しい食材が手に入ったら、ぜひ「純米酒 白麹使用」の“お燗酒”と合わせてみてください。日本酒の世界観が広がるはずです。
続いて、世界へ羽ばたく嘉泉の話題。
昨年、当蔵の大吟醸が全日空国際線のファーストクラスに採用されたことから、現在、羽田空港国際線ロビーの全日空免税店で嘉泉がお買い求めいただけます。
機内でお召し上がりになった方に大変好評を頂き、外国の方に日本土産として喜ばれています。
さらに今年は、韓国ソウル有数の一流ホテルの日本料理店に、大吟醸と純米吟醸が並びます。
積極的に世界へ向けた営業活動を行っていないなかでのトピックスであり、厳しい味わいのチェックをクリアしたことも含め、嬉しく思っています。
ちなみに、漢字文化圏で「嘉泉」という酒銘は、日本と同様に吉名と理解され、宴席や接待、祝いの席に華を添えることができるそうです。
皆様も仕事やプライベートなどで海外にお出かけになる際は、ぜひ嘉泉をお土産にいただければと願います。
さて、2010年は近隣諸国との領土問題もありつつ、日本人のノーベル賞受賞や、世界的ニュースとなった「はやぶさ」帰還など、色んな意味で、日本人が「日本」を強く意識した年であったように思います。
まだまだ景況感は良いとはいえず、経営者として楽観視はできませんが、実感としては、機運を感じています。
日本には物事を深く考え、追求を続ける気質と、それを実現する技術力があります。花開いたものは、工業製品だけではなく、文化、芸術と多彩です。
日本酒もその1つとして、田村酒造場らしく、日本文化や日本人の感性を表現しながら、変化し続ける時代との融合を追求していきたいと思います。
本年も、どうぞご期待下さい。
田村半十郎