言ノ葉

【杜氏】令和2年度の酒造りに向けて

  • 言ノ葉
  • 2020.12.01

「令和2年度の酒造りに向けて」

令和2年度の酒造りが始まりました。
今期の製造計画を検討した結果、例年より製造量を絞ることになりました。
今年はコロナ禍という私の酒造り人生はじまって以来、初めて経験する特殊な状況にあり、
どこの蔵元も大変な思いをしていることと思います。
例年通りの仕込みができているところはほとんどないのではないでしょうか。

当蔵のような地域密着の地酒蔵としては、問屋さんを通す・通さないに関わらず、最終的には飲食店にお渡しするボリュームが多いのですが、御存じのとおり、酒を提供する飲食店は逆風の渦中にあります。

何かあれば酒を飲んで祝う、語り合う、親睦を深める・・そんなシーンが1つのウイルスによって、日常風景から急に遠ざかっていってしまいました。

しかし、この禍には必ず終わりがあります。来年、再来年にはきっと、と気持ちをこめて、
今年も私は酒造りを粛々と行うよりほかはありません。

1つ心配なのは、社会が回復した時に産業が元通りになるかです。全国的に日本酒の生産量が落ち込むということは、それに連なるすべての業界に影響が生じます。
たとえば今年は酒米が余ってしまっています。他に瓶の会社、ラベルの会社、その原料の
会社、1つの酒が出来上がるまでに関わる業種や人の裾野は広いのです。当蔵でできることは
酒米は全量約束した分を買い上げることくらいです。。。

ここは日本酒ファンの皆様にお願いするほかありません。
ぜひ、日本酒を飲んでください!日本酒を贈ってください!ZOOM飲みにもトライして、酒と共に楽しむ日常を忘れないでください。(もちろん、今年は医療負荷も高いですから、健康管理に努めて適正飲酒を守ることが大事です。)

私も今年はいつもよりも少しだけ時間がとれますので、自分の仕事にじっくり向き合い、
力を蓄えます。

今年も嘉泉の酒造りに一層のご期待をください。

杜氏 高橋