言ノ葉

【杜氏】平成28年度の酒造りに向けて

  • 言ノ葉
  • 2016.12.12

平成28年度の酒造りが始まりました。
今年はおかげさまで平成27酒造年度全国新酒鑑評会において金賞を受賞する
ことができました。少しご無沙汰でしたので、蔵元・蔵人一同素直に喜びを
かみしめました。

昨年度は久しぶりに原料米調達の苦労から解放された一年でした。
山田錦は兵庫県の生産者から、吟ぎんがは遠野市の宮守川上流生産組合から、
無事に予定数量が届き、品質の良さも然ることながら、私の酒造りと相性が
よく、思い通りに扱うことができました。

工程スケジュールの組み直しなどの苦労がなくなってみて初めて、今まで
いかに、この問題が大きかったか実感した次第です。酒造りそのものに集中
できれば、時間の使い方も変わり、さらに新しいことにチャレンジする意気も
上がります。

それは酵母菌の改革です。

長年使い続けていた酵母菌を元とした新しい酵母菌の分離・選定を
東京都立食品技術センターと共同研究することにしたのです。

気に入って使用していた香りが良いタイプの酵母菌ですが、さらに長所を
引きだして、全体の調和を一段高く整えたいと考えました。
結果、7種類の酵母菌が誕生し、そのうち4種類を採用して、ぶっつけ本番で
仕込みに活かしました。思えば我ながら大胆な話です。
この取り組みを通して、特に手ごたえを感じる酵母菌と出会え、あらためて
酒造りの面白さにハマっている今日この頃です。

今年の酒造りですが、酒米生産者の方々は充分な量を安定供給すべく、
誠心誠意できることは全て努めてくださっています。そちらはプロにまかせ、
じっくりと構えたいと思います。
より良い米、より良い酵母菌を手にした蔵人チームの士気も万全です。

全ての酒質を向上し続けたいという変わらぬ思いを胸に。

今後の嘉泉の酒造りに一層のご期待ください。

           杜氏 高橋