言ノ葉

【蔵元】2017年 年頭所感

  • 言ノ葉
  • 2017.01.01

読者の皆様、明けましておめでとうございます。
平素は嘉泉のご愛顧ならびにメールマガジンのご購読をいただき
誠にありがとうございます。田村酒造場 田村半十郎でございます。

昨年は、長年苦労していた酒米の確保の手立ても実り、全国新酒鑑評会で金賞、
酒類鑑評会「清酒吟醸部門」において入賞の成績を収めることができました。

当蔵の酒米・山田錦は兵庫県の生産者から直接購入しているほか、「田むら
吟ぎんが」については岩手県遠野市宮守地区の宮守川上流生産組合に栽培を
委託しています。生産者の顔が見える酒米は品質も期待以上のもので、
杜氏も酒米手配の苦労を忘れて、じっくり酒造りに集中できたようです。

秋には、私も宮守の田へ足を運び、「田むら 吟ぎんが」が育つ姿を目に焼き
付け、生産者の皆様と交流する有意義なひと時を過ごしました。
今まさに大地に根を張り、実る稲穂を眺めると、「米」は「原材料」ではなく、
生命力あふれる生き物であることを実感いたします。私の意識も酒造りの
スタートは米造りから、と確実に変化いたしました。
お預かりした米で、当蔵が醸し、無事に製品となった「田むら 吟ぎんが」は
生産者の宮守川上流生産組合にもお届けし、今後の米造りの参考にして
いただきました。私どもの酒造りの「輪」、いえ、「和」が広がりです。

近況としては、当蔵もおかげさまで製品の輸出国が増えて参りました。
同時に海外の方を招いての蔵元見学やイベントの舞台としての、お手伝いも
続き、アクセス至便な東京の蔵元として、さらに何ができるか色々考えている
ところです。
いずれにしても、せっかくの機運。
田村酒造場のPRというより、日本酒そのものの文化や味わいをPRする機会と
とらえて、積極的に関わって参ります。

数年前までは、日本酒業界に明るい話題が少なく、歯がゆい思いを抱えてい
ました。東京オリンピックの開催が決まった頃から、日本酒のグローバルな
話題が日に日に増え、現在は当蔵も海外出張をしたり、海外からのお客様を
迎えるなど、とりまく環境がぐっと前進しました。
ここから、さらに日本酒が親しまれるには、各国料理と調和する日本酒の懐
の深さや、ワイングラスでスタイリッシュに楽しめる粋など、一般の方々や
料飲店の皆様に、さらに知っていただく必要があります。
幸い、政府やメディアも後押ししてくれていますから、今年、来年と、さらに
注目が高まることでしょう。

昨年春。桜が美しい季節に、天皇皇后両陛下が福生市に行幸啓になり、当蔵に
ご訪問いただく栄誉を賜りました。深い感動とともに、日本文化継承の担い手と
して、心の底から力が湧いたものです。

今年も精進いたします。どうぞご期待ください。


  田村半十郎